江戸屋商店の歴史

History

お客さまの
豊かな暮らし
笑顔のために

かたちは変われど、思いは変わらぬ、江戸屋の商い。

時代は令和となり、江戸屋商店は創業から約200年という歴史を積み重ねてきました。

初代から現在まで、江戸屋は時代の変化とともに柔軟にかたちを変えながら、お客さまの声にお応えできるよう、精一杯努めてまいりました。いつの時代も、お客さまの豊かな暮らしと笑顔に寄り添い続けるお店でありたい。この先の時代にも続く、私たちの想いです。

  • 創業(初代・甚右衛門、二代目・甚右衛門)

    天保3年(1832年)、江戸屋商店は「若彦路の里 奈良原」(現在の笛吹市八代町)に創業。

    初代・甚右衛門は江戸での奉公の後、暖簾を分けて頂き、16歳で先祖のあるこの地で開業しました。

    現店舗向かいの第二駐車場が創業時の店舗跡地で、創業当初は炭や塩、酒などを販売。

    この事業は襲名した二代目・甚右衛門にも受け継がれます。

    創業時店舗跡地

    江戸時代の鏡

  • 行商(三代目・藤次郎)

    三代目・藤次郎は、行商をはじめました。馬に荷を積み峠を越えて、郡内地域(現在の富士河口湖町・富士吉田市方面)まで出かけたそうです。塩や酒を売り歩きながら、織物産業が盛んだった郡内地域から着物の反物や布団の生地などを仕入れ、奈良原の人々に届けていました。端切れで草履の鼻緒を作り、商品にしていたという記録も残っています。

    遠方への行商で夜中に帰宅することが多かったため、近所の人から「夜中の藤次郎やん」と呼ばれていたという三代目。「馬の尻尾を掴んでうとうとしながら歩いていても、ちゃんと馬が家まで連れて帰ってくれた」というエピソードは代々言い継がれています。

    馬で荷を引いた観音坂

    峠越えの安全を祈った馬頭観音

  • 生活必需品・代理店業務(四代目・仁壽)

    交通手段が未発達だったこの時代。四代目・仁壽は、専売品(酒・煙草・米・塩)や食品に加え、履物や衣類、時計、眼鏡、万年筆といった人々の生活に必要なものを幅広く取り扱いました。江戸屋商店内に「光輝堂本店」という屋号を持ち、一般家庭への販売の他、学校や役所への納品を一手に引き受けました。

    また、初期保険業の代理店業務を行ったり、当時無医村であった「竹野原村(現在の竹居・大野寺・奈良原地区)」後の「花鳥村」で特別な許可を得て医薬品の取り扱いも行いました。さらに、村内に響き渡る拡声器を使って「お呼び出し」をする「電話の取次ぎ業務」も行いました。ジャンルに囚われず、地域の人々の生活を支える事業を展開しました。

    当時の医薬品

    当時の帳簿類

  • 卸売業・割烹(五代目・親行)

    江戸屋商店の近隣に大型スーパーが出店し、車での移動が当たり前となった時代。特色ある店づくりを模索するなか、五代目・親行は、飲食店への酒類の卸売業務や、給食食材の納品業務に尽力しました。

    また、昭和61年の「かいじ国体」開催に合わせ新たな県道が開通したことに伴い、平成2年11月に江戸屋商店も現在の場所へと店舗を移転。これを機に、1階は「江戸屋商店」、2階は「田舎割烹江戸屋」と業態を大きく変革。飲食業にも参入します。この頃、町内には100名以上の大人数で利用できる飲食店がなかったため、田舎割烹江戸屋は、法事や大小宴会など、多くの方で賑わいました。

    改装前店舗

    町内会の様子

  • 江戸屋商店の「ごまどうふ」商品化(六代目・正信)

    今や看板商品となった江戸屋商店の「ごまどうふ」。平成4年秋、四代目・仁壽の法要の席で、六代目・正信が親戚に初めて振舞ったところ、大変喜ばれたのが始まりです。以来、田舎割烹江戸屋で行われる法事の際は、必ず「ごまどうふ」をお出しするようになりました。すると、そのうちに「あの、ごまどうふを是非お土産に買って帰りたい」「今度法事で行くときに、あのごまどうふを多く作っておいてほしい」といった声が徐々に届くようになりました。また、天寿を全うされた町内のあるお婆ちゃんが、人生の最後に「江戸屋さんのごまどうふが食べたい」とおっしゃって下さり、お作りしたこともございました。

    気が付くと、いつしかお客様に「江戸屋のごまどうふ」と呼ばれるようになりました。

    そうして、いつの頃からか私共の胸中に「このごまどうふを小売販売して、是非、多くの皆様に召し上がって頂きたい」との夢が膨らみ始めました。

    しかし、元来は精進料理であること、山梨にはあまり「胡麻豆腐」の文化がなかった事などから、日常的な食べ物とは言えませんでした。この栄養価の高いごまどうふをもっと手軽に召し上がって頂きたいとの想いで、宴会の最後に「和スイーツ」として黒豆・アイスクリームを添え、黒みつをかけてお出ししました。これが大好評で、商品化の夢は一気に身近なものとなりました。そして平成20年4月17日、満を持して「江戸屋のごまどうふ」の販売が開始。江戸屋商店を支える大切な商品が生まれました。

    ごまどうふ
    旧ディスプレイ

    ごまどうふ販売開始